こんにちは、CAD子です。
「CADにはどんな資格があるの?」
「CADオペレーターの就職に有利な資格ってあるの?」
「資格試験の内容や費用、難易度はどれぐらい?」
結論を言うとCADオペレーターになるのに資格は必要はりません。
ですが、未経験の場合は経験がないため就業を有利にするためにCADの資格を取得しておくことをお勧めします。
この記事ではCAD資格や種類・難易度など、こんな疑問にお答えします。
CADオペレーターは経験が重視
まず初めに、CADオペレーターになるのに事前に資格を取得していなければならない、ということはありません。
CADオペレーターは資格よりも実務経験の方を重視していますので、未経験から始めたとしても、スキルを磨いてキャリアを積めば昇給することも可能です。
ですが、未経験で転職となると資格なしでは、なかなか厳しい場合もあるでしょう。
未経験からスタートする場合は、少しでも有利にできるように資格を取得することをお勧めします。
就職に有利なおすすめCAD資格とその内容
CAD利用技術者試験とは、一般社団法人コンピューター教育振興協会(ACSP)が主催する試験です。CAD利用技術者試験は受験者の目的やスキルのにより、いくつかの部門に分かれています。
2次元CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験は、CADシステムの関連する知識・理解を持ち、さらに図面を正しく理解してCADを使用した作図をこなすことができる技能を証明する試験制度です。
※国から講座受講料の支援を受けることができる「教育訓練給付制度」の対象資格
2次元CAD利用技術者試験基礎(初心者におすすめ)
CADを始めた人、3ヵ月程度の就学者、将来、設計や製図、CAD等の就業を目指すを対象としています。
受験資格 | 制限なし |
試験日 | 公式ホームページで確認 |
受験料 | 4,400円(税込) |
試験時間 | 50分 |
試験方法 | 筆記試験(50問:IBTシステム※による多肢選択肢及び真意方式) |
試験会場 | 希望試験地区コードに基づいて、試験センターが会場・人数等を調整し、受験者に知らせる仕組。※試験会場は試験実施回毎に変更あり |
試験内容 | ★CADシステムの知識と利用 CADシステムの概要と機能、CADシステムの基本機能、CADの作図データ ★CADシステムのプラットフォーム CADシステムとハードウェア、CADシステムとソフトウェア、ネットワークの知識、情報セキュリティと知的財産、コンピュータの操作、OSの基本操作 ★製図の知識 製図一般、製図の原理と表現方法、製図における図形の表現方法 ★図形 三角形、四角形と多角形、円、三平方の定理、三角関数、立体図形 |
合格基準 | 総合7割以上正答 |
合格率 | 合格率58.70%(H.29) |
難易度 | 対象が高校生以上のなので易しい |
※IBTシステム:ネット経由で行う試験システム
出典元:一般社団法人コンピューター教育振興協会
公式ガイドブック
2次元CAD利用技術者試験2級
CADシステムを半年以上学んでいる人、CADシステムを利用した業務に従事する人を想定した試験です。
受験資格 | 制限なし |
試験日 | 公式ホームページで確認 |
受験料 | 6,050円(税込) |
試験時間 | 60分 |
試験方法 | 筆記試験(60問:CBTシステム※による多肢選択肢方式) |
試験会場 | 全国にある専用CB試験T会場はこちら |
試験内容 | ★CADシステム CADシステムの概要と機能、CADシステムの基本機能、CADの作図データ、CADシステムとハードウェア、CADシステムとソフトウェア、ネットワークの知識、情報セキュリティと知的財産、CADシステムの運用・管理と課題、3次元CADの基礎知識 ★製図 製図一般、製図の原理と表現方法、製図における図形の表現方法 |
合格基準 | CADシステム分野・製図分野が各5割以上、および総合が割以上正答 ※出題比率は、CADシステム:60%、製図:40% |
合格率 | 合格率54.10%(H.29) |
難易度 | 製図の知識が多少なりともあるなら、易しい |
※CBTシステム:CBTシステムを利用した試験で全国の専用会場で受験可能)
出典元:一般社団法人コンピューター教育振興協会
公式ガイドブック
2次元CAD利用技術者試験1級
CADシステムを利用し、設計・製図業務に従事して1年以上の実務経験、または1年以上の就学経験を有するひとを想定した試験。CADシステムの操作ができるだけではなく、将来、設計者やオペレーターの管理業務を目指す方が対象です。
1級(機械) | 1級(トレース) | |
受験資格 | 2級または1級の有資格者 | |
試験日 | 公式ホームページで確認 | |
申込期間 | 公式ホームページで確認 | |
受験料 | 16,500円(税込) ※過去の1級合格者は11,000円 |
|
試験時間 | 80分(13:40~15:00 保存時間含む) | |
試験方法 | 実技試験+筆記試験(25問) CADシステムを使用した実技問題(DXFデータを保存したフラッシュメモリを提出)と専門知識を問う筆記問題 |
|
試験会場 | 希望試験地区コードに基づいて、試験センターが会場・人数等を調整し、受験者に知らせる仕組。※試験会場は試験実施回毎に変更あり | |
試験内容 | 実技試験 | |
★機構部品の作図 リンク構造、カム構造 ★適切な数値(カタログ、要目表などからの作図、機械要素部品 ★投影図からの作図 第三角法 |
★編集・レイヤ設定能力 図形の編集、コマンド機能、レイヤ設定 ★トレース能力 図面のトレース ★投影能力 投影関係と形状理解 ※実技試験では、出題される分野の専門知識は必要ありませんが、図記号、線種などの知識は必要となります。 |
|
筆記試験 | ||
★機械製図の知識 設計技術者に要求される資質、機械製図の基礎、材料、サイズ交差<寸法公差>とはめあい、幾何公差、表面性状、加工方法、機械要素 |
★製図の知識 図面の名称、線の種類と用途、寸法補助記号、図記号(建築、機械、土木、電気) |
|
合格基準 | 実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上正答 | |
合格率(H.29) | 前期:52.53% 後期:42.20% |
前期:59.52% 後期:58.06% |
難易度 | 難易度高め トレース易しめ | |
注意事項 | 解答枠のダウンロードは事前に行っておかなければならないので注意が必要(行っていない場合は採点対象外となります。また、当日の提供は行っていません) |
公式ガイドブック
トレースはこちらで購入できます。(クリックで販売サイトへ飛びます)
3次元CAD利用技術者試験
3次元CAD利用技術者試験には1級・準1級・2級の3種類あります。
3次元CADを利用するエンジニアや学生が身に付けておくべき知識と技能が証明できる試験制度です。
※国から講座受講料の支援を受けることができる「教育訓練給付制度」の対象資格
3次元CAD利用技術者試験2級
3次元CADシステムを利用した機械系・製造系のモデリング・設計・製図などの業務に従事することを目指す方、および3次元CADシステムの周辺業務に従事している方を想定して試験を行います。
受験資格 | 制限なし |
試験日 | 公式ホームページで確認 |
申込期間 | 公式ホームページで確認 |
受験料 | 7,700円(税込) |
試験時間 | 60分(11:00~12:00) |
試験方法 | 筆記試験(60問:マークシート方式による多肢選択肢及び真意方式) |
試験会場 | 希望試験地区コードに基づいて、試験センターが会場・人数等を調整し、受験者に知らせる仕組。※試験会場は試験実施回毎に変更あり |
試験内容 | ★3次元CADの概念 3次元CADとは、3次元CADの活用、3次元CADの歴史、3次元モデルのデータ構造、3次元モデルの構成、表示技術 ★3次元CADの機能と実用的モデリング手法 3次元CADによる設計、モデリング機能、実用化の事例、複合化したコマンド、検査・計測・解析の方法、モデリング手法、アセンブリモデリング、実用上の注意点 ★3次元CADデータの管理と周辺知識 プロジェクト管理、PDM、コンピュータシステムの構成、CADとネットワーク知識、情報セキュリティ ★3次元CADデータの活用 CAE、CAM、CAT、CG、3Dプリンター、DMU、コラボレーション、3次元CADデータの応用例 |
合格基準 | 各分野5割以上および総合7割以上正答 |
合格率(H.29) | 前期:68.06% 後期:55.08% |
注意事項 | 準1級・2級もしくは1級・2級の併願受験が可能です |
3次元CAD利用技術者試験1級・準1級(機械)
1級 | 準1級 | |
受験対象 | 3次元CADシステムを利用した業務に従事して半年以上の実務経験、または1年以上の就学経験を有する方を想定した試験です。3次元CADシステムが操作と、3次元設計の補助業務を担い、将来、設計者やオペレーターの管理業務を目指す方が対象です。 | 3次元CADシステムを利用した業務に従事して間もない方を想定した試験です。3次元CADを学び、知識と操作の基礎部分を習得し、設計の補助業務やオペレーターを目指す方が対象です。 |
受験資格 | 2級有資格者 | |
試験日 | 公式ホームページで確認 | |
申込期間 | 公式ホームページで確認 | |
受験料 | 16,500円(税込) | 11,000円(税込) |
試験時間 | 120分(10:00~12:00/13:30~15:30 ) | |
試験方法 | 実技試験 | |
★3次元CADソフトを使用したモデリング(パーツおよびアセンブリ) ★作成したモデルの体積、表面積などを測定し、解答群の中から選択し、マークシートに記入。 |
★3次元CADソフトを使用したモデリング(パーツのみ) ★作成したモデルの体積、表面積などを測定し、解答群の中から選択し、マークシートに記入。 |
|
試験会場 | 希望試験地区コードに基づいて、試験センターが会場・人数等を調整し、受験者に知らせる仕組。※試験会場は試験実施回毎に変更あり | |
試験内容 | ★CADリテラシー、形状認識能力 ・文章による手順の指示に従い、パーツモデルを作成する問題。第三者との口頭によるやり取りや手書き図面情報の伝達をイメージし、的確にコマンドを使用できるかを問う。 ・2次元図面からパーツモデルを作成する問題。2次元図面から3次元空間上の形状認識が正確にできるかを問う。 ★アセンブリモデリング能力 ・パーツモデルを作成し、それらを組み立ててアセンブリモデルを作成する問題。パーツモデルを正しく組み立てることができるかを問う。 ★2次元図面からのパーツモデリング能力 ・2次元図面からパーツモデルを作成する問題。実務の基本的な能力を総合的に問う。 |
★CADリテラシー、形状認識能力 ・文章による手順の指示に従い、パーツモデルを作成する問題。第三者との口頭によるやり取りや手書き図面情報の伝達をイメージし、的確にコマンドを使用できるかを問う。 ・2次元図面からパーツモデルを作成する問題。2次元図面から3次元空 間上の形状認識が正確にできるかを問う。 ★2次元図面からのパーツモデリング能力 ・2次元図面からパーツモデルを作成する問題。実務の基本的な能力を総合的に問う。 |
合格基準 | 各分野5割以上および総合7割以上正答 | |
合格率(H.29) | 前期:21.00% 後期:35.78% |
前期:47.65% 後期:30.61% |
3次元CAD利用技術者試験 公式ガイドブック
CAD利用技術者試験の難易度
難易度は、各部門やカテゴリにより階級で異なりますが、2級までは独学でも合格するといわれています。
機械・プラント製図技能士
機械・プラント製図技能士とは、国家資格である技能検定制度の一種で、都道府県職業能力開発協会(問題作成等は中央職業能力開発協会)が実施する、機械・プラント製図に関する学科および実技試験です。
この「機械製図技能検定」は、機械設計の基礎である「バラシ図面」と呼ばれる設計図から各部品だけを取り出し、製図にする検定です。
CADオペレーターよりも設計者向けの資格ですが、3級ならだれでも受験可能なので、取得できれば就職には有利だと思います。
ちなみに、過去問は協会に問い合わせれば入手できますので、各協会窓口にお問い合わせしてください。問い合わせ窓口→都道府県職業能力開発協会
機械製図手書き作業 | 機械製図CAD作業 | プラント配管製図作業 | ||
受験資格 | 1級 | 実務経験7年以上 | ||
2級 | 実務経験2年以上 | |||
3級 | 制限なし | - | ||
試験日 | 3月上旬に公示 | |||
試験方法 | 学科試験+実技試験 | |||
受験料 | 学科試験:3,100円 実技試験:17,900円 ※学生・35歳未満の方は実技試験の受験料減額有り |
おすすめ参考書
オートデスク認定資格プログラム
「オートデスク認定資格プログラム」は、全世界共通の認定資格制度です。
AutoCAD を中心とするオートデスク製品ユーザーの実務に則した CAD の操作・活用スキルを、認証する制度です。
コースは2 コースあります。
※一般的に良く使用されているAutoCADユーザーについてのみご紹介します。
初級向け「オートデスク認定ユーザー」
CADを学習する学生やプロ設計者を目指す社会人に最適な、初級ユーザー向け認定資格です。
問題数 | 30問 |
---|---|
試験方法 | 選択方式+実技試験 |
試験時間 | 50分 |
合格基準 | 70%以上の正答 |
中級・上級向け「オートデスク認定プロフェッショナル」
「AutoCAD プロフェッショナル認定資格」試験は、「最新の AutoCAD コース」を 400 時間程度使用経験のある方を対象としています。また、「オートデスク認定ユーザー」資格保有者の方にお勧めです。
問題数 | 35問 |
---|---|
試験方法 | 実技試験 |
試験時間 | 120分 |
合格基準 | 80%以上の正答 |
もっと詳細を知りたい方はこちら→
CAD資格試験の勉強方法
会社による支援
派遣会社や紹介会社の支援を受けてCAD資格を取得できる場合もあります。
支援が受けられる内容は、事前に契約内容を確認しましょう。
独学で行う
未経験の人には、内容によっては難しい場合がありますので、体系の整ったスクールをお勧めします。
独学でやるなら、CADが入ったパソコンをどこかで借りるか、CADソフトを購入するかになりますが、CADソフトは高額なので購入というのは難しいでしょう。
どうしても自宅でやりたい人は、お試し版を期間いっぱいまで使い倒すという方法もあります。
スクールに通う
資格取得講座などもあるので、未経験から資格の取得を目指す場合、スクールに通うという方法もあります。
CADの操作などと合わせて、製図の基礎から学べるので、経験がない場合はおすすめな方法です。
CAD講座があるスクールにはCAD資格取得の講座もありますので、こちらの記事を参考にどうぞ↓
オンライン講座はこちら↓
通学で学ぶならこちらの記事を参考にどうぞ↓